活動報告

2024.12.06 COIL

カピオラニ・コミュニティカレッジのKelli Y. Nakamura先生によるCOIL型講義を実施

Inter-island Sustainability Lecture Series #2

この秋より開始した Inter-island Sustainability Lecture Series の第2回目として、カピオラニ・コミュニティカレッジのKelli Y. Nakamura氏を講師として招き、「地域・国際実践力演習Ⅱ及びⅣ」(科目担当:山里絹子(国際地域創造学部・准教授))の授業において、COIL型講義を実施しました。

【タイトル】The Hawai‘i Connection: Okinawa’s Postwar Reconstruction and Uchinanchu Identity
(ハワイのつながり:沖縄の戦後復興とうちなーんちゅのアイデンティティ)
【講 師】Kelli Y. Nakamuara(カピオラニ・コミュニティカレッジ、人文学部歴史学科・教授)
【日 時】12月6日(金)10:20〜11:20
【方 法】Zoomによるオンライン開催
【概 要】
本講義では、第二次世界大戦から戦後にかけての、ハワイと沖縄を舞台にして、戦争捕虜と沖縄県系人(うちなーんちゅ)のアイデンティティについて取り上げました。1941年、日本の真珠湾攻撃後、ハワイには捕虜収容所が設立され、沖縄から連れてこられた捕虜が多く収容されました。一方、ハワイには既に沖縄からの移民が多く生活しており、戦時中の混乱の中で彼らは捕虜を支援しました。収容所での生活は困難を極めましたが、沖縄移民たちは捕虜に食料や物資を提供し、戦争の苦難を超えて「ゆいまーる(相互扶助)」の精神が実践され、捕虜と移民の間に絆が生まれました。

また、沖縄からの捕虜の多くは非戦闘員であり、戦争に巻き込まれた若者たちが多かったことも特徴です。彼らの存在は、ハワイにおける沖縄移民たちが自らのアイデンティティを再確認する契機となり、沖縄島と移民コミュニティの間でトランスナショナルな関係を深めました。この関係は戦後も続き、捕虜たちの経験を記念する行事や訪問を通じて相互理解と連帯の精神が強化されています。戦争の記憶と「ゆいまーる」の価値観は、沖縄と移民コミュニティのアイデンティティを豊かにし、現代における多様で包括的な沖縄アイデンティティの形成に寄与しています。

参加した学生たちからは、沖縄とハワイのつながりについて新たな視点から考える機会を得たという意見や、沖縄と戦争に関する専門的な知識を学べたことへの満足感が寄せられました。また、自分たちの歴史を深く理解することの重要性について改めて認識したという声も聞かれました。

Inter-island Lecture Series

第1回:元ハワイ沖縄連合会会長・琉球大学顧問のLynn Miyahira先生によるCOIL型講義を実施

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